米橋でお客様にお出ししたお料理をご紹介させていただきます。

来る年の夏に

玉葱のスープ

たまねぎのスープ

パンの代わりに麩を使った和風玉葱スープ

何ーんだオニオンスープじゃないかと言われるかも知れませんが、そう思われても仕方ありません。手短かにある素材でカラメルソースを使わないため、日本的な感じが出るのかも知れません。
玉葱は2個皮をはがし(皮はとっておく)ヘタを取り、たてに2つ割りし、さらになるべく薄くスライスします。
米糠油を厚手のフライパンに入れ、はじめ中火で、やがてじっくり弱火で40分炒めます。
米糠油は家庭用で出回っています。この40分は最低時間で、このくらいかけると筋が溶けて全体が固まりだし、粘りの旨さが得るのです。
最後の方でニンニクをほんの少し刻み入れ、バターも少々加えます。
スープの方は余り身のついていない牛筋を150グラム、洋包丁で筋に直に1センチ切りし、鶏の手羽元も150グラム、これは骨ぎわに包丁を入れ、出刃の背や硬い棒で叩き、骨の髄をくだきます。双方をよく水洗いし、新たに別の玉葱1個と人参を共に皮をむかず乱切りし、スープ用の出汁野菜とします。この時とっておいた玉葱の皮も加えます。アクをはじめにまとまって浮いた分だけ1、2度とりますが、あまり神経質にならなくてよいです。
スープと具ができたら、スープの量と具の量をお好みで合わせ醤油を加え、一旦火を入れ温めてから焼き麩をのせその上に好みのチーズをのせてオーブンで焼きます。焼き麩は先にスープで一度下煮しておくとしっとりとなじみがよいです。

揚げ出し二つ

無花果

いちぢく

いちぢくを包んでいるのは「矢柄(やがら)という小田原の名産品。縁起がよい名と形で白身でクセがないため祝いものに使われ、鍋もの・椀ダネ・天ダネなど何でもOKです。

いちぢくはつぼみを求め、ヘタを切ったら白い樹液がほとばしるようならアクが強いので、熱湯に重曹少々を加え5秒くらいつけ、皮に熱を加えます。取り出して打ち羽(うちわ)で扇ぎ、冷めたら皮をむきます(骨ぬきを使うとよい)。果実には重曹は入らないものです(パックで売っているいちぢくでも口の開いていないものを使い、完熟なら重曹を使った処理は不要です)。
むいたいちぢくは、葛で(片栗粉で可)ハケでまんべんなくはたき、一方いちぢくの半分ほど白身の魚で包めるように用意しておきます。白身魚ならどんなものでもOKですが、細い切り身でも観音開き(真中に途中まで刃を入れ左右に横に開く)にすると十分材料になります。軽く塩をして10分もすればいちぢくを手のひらで包みますが、すでに葛が水分をもっているので、白身の魚にも葛を打って、手でぎゅっと球状に固めてさらに葛を打つとよいでしょう。
揚げて器に盛ってぎんあんや亀甲あん(くずあんに醤油やみりんを加え、やや色のつけたもの)をかけ、色どりに青身を(ここでは小菜の抜き菜)。熱いうちに召し上がります。

茄子

なす

このなすは実家でとれたもの

なすは種類は違えどごろごろしています。
身がしまった大ぶりのものを選び、皮とへたをむき、肌の表面がツルツルからカサカサになれば水さらしのアクが済んだ目安になります。
なすは形にもよりますが、半分に切ります。ハケで葛を打ち、2つの切り口に合うようにスモークサーモンを並べてはさみ、またくずをはたき結草(ゆわいそ=経木のひも)かたこ糸でズレないようにきっちり2、3か所しばります。油で揚げてヒモを切りったあと一口大に切り、青身を添えて天に糸がつを、下地に天つゆの類を張ります。仕込み時間が長いとサーモンとなすの水分が出てきてしまいます。

このところ伝統食にからんだ献立が多かったのですが、料理史を見ると80年から120年の間に、ある精神性をもって伝える工夫のないままに放っておくと姿を消す料理が多くあります。

ゆく夏を惜しんで

瓜のスープ

瓜のスープ

(※ナベのうえにあるのは採りたての夕顔。冬瓜より夕顔の方がかれんな味がするので変えました。)

 畑で採れたてをいただいた時に拵(こしら)えてあげればという、一種の医療食です。とりかかれば十分ぐらいで二〜三人分ができます。
 瓜といっても冬瓜が使いよく、夕顔、ヘチマ、朝瓜もOKです。地這栽培したものは放っておくと尻が黄色く丸くふくらみ、中にタネができる状態になります。明治時代以前の文献には、ちゃんとした成熟の実の扱いだったことがわかります。
 今回の材料は、冬瓜、じゃが芋、白葱が各300グラム、生椎茸中ぐらいが一つ。
 調理の順番から入りますが、ジャガ芋の皮をむき適当に切って、水は5カップほどナベに入れる。
 じゃが芋のすっきりした粘りが目的で、この粘りは冷めると味が落ちてしまいますから熱いうちにブレンダーで押しつぶし、白葱は小口から1センチくらいをナベに加える。白葱は火が通り易いから一枚の生椎茸をスライスして加えます。白葱は清楚な香り、生椎茸は点描クラスのポイントです。冬瓜の皮をむいてワタが好きな方はワタを取らず、1.5センチのサイコロ状に切ってナベに加えます。
 透き通ればできあがりで、コショウと塩を加える方もおられます。
 この一連の動きが一度もたるまないで進むとこれだけの食材の力を知らされます。途中で電話などかかってくるとアウトですが、旬の夏野菜の清いみずみずしさが身体を潤してくれます。ぜひお試しを。

どじょうの丸鍋

どじょうの丸鍋

(※ナベの細葱は屋上で育てたもの。小田原は関東では珍しい葉葱の産地。丸ごとのどじょうと目が合うとダメという場合もあり、豆腐は一息入れるように入れました。汁はかつお出汁に色付き程度の薄口醤油、薬味は山椒粉、一味、梅干の底の漬け汁につけた新生姜。)

どうしようもない暑さの折、どじょうが食べたくなりました。幼い時に近在の田んぼの中で育ったせいで、土用干しをはじめなじみがあるものです。
 魚市場の兄に頼んだのですが、言葉足らずで入荷したものは国産ものじゃなかった。国産ものは頭より胴回りが太く加熱すると太い丸みがいっそう白い脂身を浮かせるのですが、骨っぽいこの外来ものも以前から扱っています。まずバケツのような深い容器に笹を入れて湧き水でどろを吐かせることを一晩やります。同時に別に牛蒡を笹がきにし、水に放しておきます。
 いざ調理にかかる時、今回はどじょうなので気になりませんが、すっぽんや大型の鯉などは、口の中で活けるものをいただくおゆるしの呪文を唱えたりします。若い頃すっぽんの勉強会をやった時に、扱った数も多く、血抜き作業も作業も生々しかった場面になってしまい、居合わせていた鎌倉の名刹の人がそっと教えてくれたのです。仏教と形が伝わっている前からあった古いものだとおっしゃってました。実務がとにかく先で、あとから形式がついていくということでしょう。
 どじょうは笹を外し、水を切って日本酒を注ぎ(本当は肥後の赤酒)フタをすると二〜三分で酔ってきます。今回は仕上げの収まりを浮かべ、伏見の二級酒を使いました。土鍋にそっくり移し、皮付き生姜を一つ叩きつぶし入れて笹がき牛蒡も少し入れてぐつぐつ煮込みます。
 下ごしらえの煮方なので、身が裂けるような強い火力はひかえます。夕食に食べるとすると、午前中にこの下煮をしておくとよいようです。川魚の専門ではないのですが、一時期浅草界隈に出向き、調理法をよく見てまわりました。結論はどうもこの下煮の段で圧力ナベでやっているとみたのですが、この辺りはその人の道なので、それ以上踏み込めません。
 この下煮をやっておけば、あとは自由に味噌味、煮貫、昆布、煮干いろいろOKです。
 下煮は旨く仕込んでも一日たつと半分の味になり、三日目は残りの三割をむさぼっているわけでです。活けもの仕込みは同じようなものです。
 川魚をじっくり覚えると、何か自分が文化人になった気分になることがあるのですが、もともと川魚はたらふく食べることより、季節や香りや風情を味わうものだと思うのです。

松風豆腐

松風豆腐

(※名も風情ある「松風豆腐」)

 松枝のあいだを通る風はうらさびしいという意味もあり、そこで干すのはいわば影干しと思われます。お席によっては岩石とかふくさとかうまく名を付けかえてください。
 木綿豆腐二丁を求め、一丁は水平に包丁を渡し、ずらして上から押しをして水切りをしっかりやります。
 もう一丁はマッチ箱くらいに切って、湯に塩を落とし、80度くらいで浮いてくるまできっちり火を通します。
 二つの工程にしたのは、めんどうでも複雑な食感が得られるという作るもののこだわりでしょう。これが最高という仕事はないのですが、長く反応を見ていると、喜ばれるのは三割であとは反応しない人と、これは性に合わない、そんな程度と思っていますが、とりあえず反応のない中間の対策をどうしたらよいか、あの手この手でテーマにしています。
 硬いごじっとしたものより、夏はふわっとして、ういろうにも似た詫びた歴史風情が口に広がってくれたらと多少観光地としての意識もあるわけです。
 湯をした方のはざるに取り(丘あげ)水気を十分に切ります。
 水切りしたものは大ぶりの当り鉢(擂り鉢)に入れてよく当たり、パウダー状にした黒砂糖を主材調理品としてしっかり入れる。三温糖をさらに混ぜたり、みりんも少し入れます。小品ですが、目立たないものを脇役に添えるのですから。最後の調味に塩、醤油を加えるのは東国では必ずやらなくてはなりません。
 流し缶で蒸し器で蒸し、指で押して相手が押し返す弾力が出てくれば蒸し上がりですから、火を止めてフタを取らず二〜三分落ちつかせます。
 そして取り出し、上面にゴマ油をハケで薄く塗り、上火の効く焼台かオーブントースターでもできます。上面がゴマ油で黒点模様が渋く出てくればできあがりです。
 こういう主役ではないものに、もう長いあいだ気持ちを注ぐタイプになってしまったようです。

 
 

初夏の食卓へ

アジの早ナマス

アジの早ナマス

(※早ナマスのつまは、左上からうご(海藻)、人参、小松菜新芽の抜き菜、大葉刻み、芽ねぎ、手前はレモン、右手前紅たて、おろし生姜)

 梅雨の晴れ間や土用の風のないうす晴れの時、小田原の河口の沖に小舟をくりだし、釣ったサバ、アジ、カマスに塩や酢や酒で素早く調理し、舟の中か、岸に上がって座敷で食べるという光景が記されております。
 小田原城から東へ一キロほどの城内の境目に、山王(さんのう)川という、箱根外輪山から滲み出て北側の西から東側の境目も担ってから南下している川があり、その河口から四百〜五百メートル沖です。
 北側の上流を久野(くの)川といい。箱根関所をのがれようとする裏道で、初代北条早雲の弟玄庵(げんあん)という茶人で五代を見つめた文武両道の賢人が住んでいた重要な川筋でもあります。その海岸の東の先は渡しの大川、酒匂川と塩田もあるので、城内は物資が豊かであり、何より安全であるのでこういう船遊びが盛んだったのでしょう。
 料理史では膾だった字が鱠という魚偏に変わった頃じゃないかと考えられます。
 さて作り方です。
 いろいろ試してみたのですが、至ったコツをお教えします。
 早く言えば酢洗いを二度するということですが、アジは中型の百グラムの活きの良いものを求め、三枚おろしにし、腹もすき。骨当りで骨も抜く。
 一回目は皮付きのまま、ホウローボウルに米酢と塩を入れて、くぐらすのですが、塩は海水よりやや辛くして、味をいりつけるように洗い、表面が白く変わる二十秒くらいをメドに引き上げ、ざるに取る。この酢はすてる。
 水分がざるから絞りでる一分間をみて、手で皮をはぐ。  小口から身の厚みの巾の斜目切りにする。
 二度目の米酢には、海水よりやや軽い塩を入れて、身をころがすように箸で十五秒、その箸で引き上げて皿に盛る。
 皿にはあらかじめ、季節の好きな“つま”を向う側に並べておき、アジを盛ったら手前に薬味(紅タデ、おろし生姜の類)を添え、身の“天”(四〜五センチ上)からレモンを振り絞る。
 これで仕上がりですが、原文の酒という項にこだわるなら、別に日本酒を小鍋に入れ、火を加えてアルコールを飛ばし、塩を少し入れて冷ましたもの(煮切り酒)をそそると完璧です。 ―食はその時の風俗で自由があると思うので、あまり考古学的な感じはやらないでおります。
 アジそのものは三分もあれば十分です。
 早ナマスだからすぐ食べます。

落花生豆腐

落花生豆腐

(※上面天はおろし山葵、コースの時はこのままで、一品ものとしては生醤油をたらして食べます。)

 これまで胡麻豆腐は店の定番品でしたが、まず国産品が手に入りにくくなり、外国産はどういう訳かパサついて、それも結構な価格になり、考えあぐねた結果、地元の落花生に行きつくことになりました。
 十キロ余り東方の二宮(にのみや)が広大な産地なので、品切れもなく安心して仕込みしております。  この粉仕事というのは計量をちゃんとしないと製品化しません。仕上がりをみて時々数値を調整しておりますが、およそ次のようなものです。  
皮むき落花生豆2杯  
葛      1杯  
水    6〜10杯
(この数字は比率です)
 豆を当り鉢(擂り鉢)で摺りつぶしペースト状にすると、一杯分の分量に詰まる。それと同量の葛ということですが、純粋の本葛だと0・六でよい。水を加える量は、こしらえてすぐ食べたい場合は6、翌日だと8、翌々日だと10ということです。
 混ぜ合わせて練り上げる訳ですが、さらし布でつくった袋で漉すと、きめ細かい肌のものができます。これを羽二重仕事と呼んでおります。手軽にやるなら水のうで漉すぐらいでよいでしょう。
 練りは羊羹も同じですが、はじめは中〜強火で、四〜五分しますと固まりが始まり、中〜弱火にして、ヘラでかきまわしながらじっくり練っていくと、二十分くらいからヘラを底に引くと、底が見えてきます。その上ヘラをすくって液をたらし、一条の糸を引くようになれば練り込みが完成とみます。さらにできればなべ底に焼きつく寸前まで練ると弾力のある丸みがでてきます。こうなると上等の練りが出来たことになります。
 水にぬらした流し缶(金製弁当箱で可)に移し、上面をラップして、そのまま冷ます。急ぐ時は氷水を張って腰丈まで浸すとよい。この比率は、およその目安で、豆と葛の質に影響されますが、体に良く、誰の口にも合うものですから、大変な作業ですが挑戦してみてください。
 大げさな言い方ですがこの調理は日本料理の大もとだと思って仕込みしております。
 胡麻と落花生の違いは、栄養面ではカルシウム分が胡麻が格別で他は同じようでした。

四月のカウンター一品

さしみに大根おろしをたっぷりつけて食す

秦野大根など  大根をいっぱい摺りおろし、それをまぶすようにからめて食べる習慣があります。
 今時は夏大根が出回り、辛みも効いて春ボケにピリッとします。
 大根については、小田急線の上り電車で二十分の東丹沢の麓に東海大学前という駅があり、そこはかつて大根(おおね)という駅名でした。その手前が秦野(はだの)駅です。
 蔬菜の資料には秦野大根と記されていて、絵を見ると。スリムで守口大根系です。わきにはぼってりした鎌倉ねずみ大根が描かれています。スリムは生食調理用、ねずみは加熱用と思われます。食の史料で東が発祥というのはまれで、大根についてはよく鎌倉時代に日蓮さんが、大仏の釘より太いと喜んだコメントが引き合いに出されます。それだけ大根はより太くという一念の歴史があるのでしょう。
 この生で食べる大根の生地に、今頃浜へ魚が寄ってきて、イナダ(ぶり)やメジ(まぐろ)などの幼魚が皿盛りで並びます。ふつうの作りには水っぽく身自体に力がありません。
 刺身のように中骨を抜き、皮を引き、小口から斜めに細く包丁を引きます。それを金製のバットに並べ、冷蔵庫でひんやり落ち着かせます。
 お客さんが目の前に来られたとき、同時に真っ白い大根を皮ごと一気に摺り下ろします。摺ったら軽く水気を切り、浅深の器に入れて、刺身は別の皿に盛って出します。
 好みで醤油や、塩、レモンも絞るのもいいでしょう。おろしは二十分が限度らしいから早く食べるにこしたことはない。ご飯の主菜にもなります。
 魚も大根も共にピチピチの新鮮に限ります。都会の料理でなく産地の食べ物です。

伝統食だより 第182号より

ゐるかのごぼう煮

 これもざっと四百年の記録がある伝統食です。
 小田原北条氏が伊豆の武士に年貢品にかえて納めさせたのです。イルカを追い込むのに夏みかんを投げては拾いを繰り返し舟を詰め寄ったそうです。小田原は食べる産地です。冬の水温で体の脂が回っているのですから、人さまの体には負担が少ないというのが理にかなっていると思えます。
 五百グラムぐらいの固まりで売っているイルカを皮の分厚い脂部と身の肉を切り離し食べよい小口に切る。さっと熱湯で湯がき、土鍋にごぼう、こんにゃく、生姜片、出汁と昆布、酒、醤油、みりん、火が回ったら浮いたアクをとり、葉葱をたっぷり入れる。汁が多いすき焼きと思ってください。絶対食べられないという人が必ず居ます。鯨の仲間ですが、独特のにおいがあるのです。アクやにおいは自然の恵みなのですが。もうシーズンは末です。 

伝統食だより 第182号より

中世東海道西相模 冬の小由留木路

三浦半島、二宮を背に曽我山の六本松から箱根連山ならびにそびえたつ富士を見ながら下り、おにぎり型の矢倉沢目当てに相模足柄道坂本宿跡関本へと続く・・・
時は節分。

   お通し 旅人用塩辛
○熟し物といった。種類は多種ある。
○とおしとは関東料理語
「前川塩田」 イカ
○国府津東方前川の浜は中世の塩田。
小袖土産 竹筒
○こそでは少量、小振り。
   前菜四点 魚付半ペン
○半ペンは自然薯と豆腐。やがてナマズが入り、河口の魚になる。
「岩原城」 箱根山芋
○小あじの半日干しに半ペン地をぬり焙る。
 城下保田家湧水豆腐
○この頃は木造楼閣。南か東向き斜面で背に山があり脇に川か湧水がある。郭の堀は弓が利く巾3mほど。水利権をもち城下に沼、湿、乾田、畑、潅木林と民家。保田家は斜面下の酒造所。
「四十八瀬川」 鱈煎餅 本葛
○薄い切り身の魚(ひげたら)に葛を打ち付け円型に抜き蒸して干して焙ったもの。ヒゲタラは30cm大の地取りのもの。形悪いが味好し。
「川村城」  宇治丸蒲穂
○うなぎを貫刺ししてたれをつけ焙ったもの。豆腐を芯に穴子で巻いたものを代用とした。
鞠子川荒瀬(がらせ)
○がらせの際は川を挟んで城500mmに相対する時の重要陣地であった。
大森氏  三國揚げ
○相模西郡(にしごおり)干しスルメ、駿河は桜海老、甲州麦粉。いかを芯にした海老せんである。
「裾野元屋敷」
   汁  煮貫仕立
○味噌汁を濾したもの。醤油がないころの吸物。
千津嶋休み処 切干於富泥(おほね)
○秦野大根(おおね)は守口系。ぽってりは鎌倉ねずみ大根。ともに発祥地。
○せんどしまは一般人の汗着替えや馬の水やり所。聖者らはその先の地蔵堂だったという。
 
   差し身 雉
○旨いに越して武士好み。親子の縁深い。地変を知らせる。
「山北八丁」足柄峠越え 塩鯖
○塩による発酵。
酒田村富士山伏水酒 いり酒
○やはり醤油がない頃。ないほうのこの方がつきあいがながい。
  前羽橘北限地  九年母
○温州と紀州の原種。今のスダチと意は同じ。必ず添えた。代用、あしらい、ネギほかこまごま、地レモン。
焼物 門前やき 脇茶店
○鎌倉時代の代表的なもの。味噌だれに漬けて杉板ではさんで焼く。切り身は鯖。保存が効く。
   煮物  月環(げっかん)
「一の宮、川匂神社」
○礼祭は三つ盛る。太陽、月、神を指す。長芋を蒸し裏濾し芯にして鮭で巻く。鶏挽きつくね、アジつみれをともに丸に取る。3点と色取りに青菜を添える。              
○寒川神社とのやりとりの確執。青銅葺きのおごそかな屋根。
   強肴(しいざかな) 
   鰯早鮓(はやずし)相模仕込
○玄米で漬ける。さっぱりしている。酒に合う。レタス敷き。
「小船(おぶね)販売所」
○馴ズシは飯を取りかえて捨てる。これは食べられる。
○川匂神社の川西小船は江戸時代後半まで記されている。いわゆる歓楽街、人形芝居があり弁当として?売っていた。
   飯  楚割(すわやり)炊き込

○アジの固干しを炭火で焙り牛蒡と炊く。刻み油あげげ入り。
「足柄道狩野宿」字・炭焼町 
 松田山 畑ごぼう 香の物二種
一年以上の香の物、たくわん繊切り、それ以内を浅漬けという、白菜漬け。
   菓子  酥(そ) 
 貢乳 国司許可
○煮詰めて都へ納めた。これを蘇といい都で加工した。酪、醍醐、など。他イチゴ、リンゴを盛る。

小由留木(こゆるぎ)は小田原の古名。ゆるぎだと大磯辺りまで入るという。たえず政争に明け暮れたゆえんか、それとも地変、気象に揺れ動いたのか。くずし字にした場合、圧縮すると小田原になるという説が有力。

これは平成22年2月13日の宴会の献立です。 ある大きな事業所の総務課の同窓会で、店でも以前はよくお世話になっていたし、つい懐かしさのあまり幹事さんと相談して歴史献立とした。事業所は国府津の近くにあり、中世の頃、二宮から内陸に入った旧東海道に沿うところの近い場所です。 当日は夕方寒い雨天で何年ぶりかの低温を記録して、そのせいか料理によるのか日本酒のみとなった。とことん飲んで炊き込み飯も大きな土鍋を空にしてしまいました。都合四時間。


大森氏の頃

小田原城は北条早雲の前に大森氏が城主だった。
鉄砲が伝わる前のこと。


アジ早ズシの3日押し

3日寝かせたものを棒状に取り海苔巻きとしたもの。
梅酢が決め手。
アジ鮨も家々によって色々。


胡麻豆腐

精進料理は一応道元といわれていて永平寺の方法
胡麻・本葛と水しか使用しない
当店は一貫してこのやり方でやっている。


こうり豆腐

江戸時代の代表的な一品。
寒天で包み固めたもの。


味噌漬豆腐

江戸時代「豆腐百珍」に載っている人気のあるもの。
チーズのような食感。


杉板焼き


筍スシ

タケノコは野菜の中で唯一、肉魚に対等とされる食材であると中国4千年の原書に記されている。


きらず

おからを詰めた鯛の蒸し鮨。
包んでいるのはほおの葉。
小田原は戦国北条時代より「鯛のふくめ」という、そぼろを食べる土地だった。幕末の頃小田原に勝海舟の父がが滞在して、きらず(おから)を食べた記録がある。
ふくめ、そぼろ、おぼろ、きらずは一本の線で繋がっている。
現時の「鯛めし」弁当がこれにあたる。「唐ズシ」


普通の会席「秋」

お部屋で提供している献立、これは¥5,000の標準仕立です。
手前前菜3点、右から寿留目(するめ)色紙切り・花山椒煮・ 鶏むしりモッテノホカ!左から揚げ物(かきあげ小柱芝えび)・ おしのぎの汁・さしみ・フルーツ・蘇(そ・日本のチーズ)・ 打そば(食事)・土瓶蒸し・杉板門前焼き(魚切り身・タレ味噌の 味わい)・炊き合わせ(関東煮)です。


スワヤリの炊込飯

スワヤリの炊き込みご飯 これは4人前です(4人以上予約の方のみ) 都合で材料がないときは、食感が近い開き干しのときがあります。
蒸らした熱々を盛って粉山椒を振って食します。


松花堂弁当

昼食会合向きです ¥3,465(税サ別¥3,000)のものです。
吸い物・さしみ(たたき)・揚げ物・焼き物・煮物・台引・御飯 香の物・果物と一通り詰めてあり4名様以上の要予約です。


相州沖早膾

これが「相州沖早膾」(はやなます) ここではシロダイを使ってあります。梅酢がポイントで 醤油が無い時代の料理です。
左から穂紫蘇・大葉刻み・かもじ葱(葉ねぎを細く切った物)・ セロリ・カボス・紅タデ・おろし生姜 400年前からカルパッチョ?が有る?


コンロ焙り物

この写真はアイキョウ・子持ち鮎を干した物(今はない中世?) とイワシの辛煮・からに(手前)は現在料理屋の扱う中では 最古の保存食だろうといわれている。
予約の方の強肴(しいざかな・お酒が進んだ時別注にて) 事前にお酒の見積が多いときセットの中に組み込まれる・・・時がある このあぶり物はいろいろ用意して、この強肴は数ある中の一例


昔料理

予約なしでOKのおすすめ「昔料理」 食事向きの5品です。
作りや台引(おつまみ)は日々変化しております


楚割(すわやり)

小田原の本来の干物のこと 作り方が固くしっかり干してある。
味がしまっていて旨い。
天日干しでも朝日が昇ると同時に日が落ちるまで干す。
蒸す行程が加われば鰹節?秋から冬にかけて好適。