当店の簡単なご利用について
重要:お蕎麦は打ちたてをお出ししていますので、都合により新たに打たなくてはならない場合は約20分ほどお時間をいただいております。何卒ご了承願います。
- おすすめ天ざる
- :2,350円(税込)
- 目の前で揚げる天ぷら4点(エビ・イカ・野菜 / 野菜のみ可)
その後、石臼挽きの打ちそばへ続きます。
- セイロのみ
- :1,300円(税込)
- 温かい掛け
- :1,200円(税込)
- そばがき
- :800円(税込)
- 100%純粉 鍋がき
地元産 足柄茶を使っております。
酒類のご注文にはそば味噌の御通しが付いています。
一品ものは単品のみでは対応が難しく、伝承会席でのご検討をお願いします。

当店の感染対策について
当店では引き続き「マスクの着用」「手指消毒」「遮へい板」「強力な換気」「一組(1テーブル)4人または同居家族、2時間を目安」を行っていますのでご来店の際にはご協力をお願いします。特に換気には力を入れています。
三菱電機納入事例
店主より一言
令和3年、おかげさまをもちまして「米橋」は創業50年という大きな節目を迎えることができました。世の中が大きく変化する中、それでも半世紀もの長い間営業を続けてこれたのは、ひとえに長年に渡りご愛顧いただいたお客様の温かいご支援の賜物と感謝しています。
「米橋」は、スタンド天ぷら店として近くのビルの地下8席のお店からスタートし、実直に職人路線を貫いてまいりました。
ここ30年は小田原の歴史を献立に組み込んだ「見立献立」という自慢のお値打ち献立を中心に、1組8名様からのご予約を1週間前のお申し付けで承っております。
多くの料理店が単に魚を一刀に惣菜にこしらえるのを立場(つけば)料理といいますが、当店の「見立献立」は昔あった、今でもあるという文献による綿密な裏付けや伝承による数々を味わいながら、深い知識もいただくことができるものです。
およそ6?8種のコースがあり、相模国小田原城城主の大森氏から明治の近代洋食を広めた村井弦斎までテーマを時代順に取り揃えております。
この献立・物語シリーズは、新たにこしらえては適宜お店の催事として実施しております。
案内をご希望の方は、宛先を募っております。
そんな大げさな注文は気がひけるという方には、大名コース(4,290円/税込)をお勧めします。
その日の会席が2-3品入りますので、その一端をご堪能いただけます。
より内容濃く仕上げられますので1時間以上前のご予約をお勧めします。
酒場の肴
I・Y氏主宰「日本酒を囲む会」


I・Y氏は各地へ旅をしては土地の酒造所を訪ねている。
今回は3回目の催しで、HPに掲載しようということになった。
手持ちの分も含めて16銘柄を愛でようということです。
本来料理屋は、料理が主で酒は並びか添えるものというものです。
それを、酒を主役にそのお囃子役に料理をと。つまり酒場の肴です。
あえて言わせていただきますが、料理屋では日本酒は銚子で2本くらい。
会席という一汁三菜(吸い椀、生もの、焼物、煮物)でお酒に合う調理をしています。
10人の席だと計2升分です。上戸と下戸がいて、これで十分と考えられます。
と、いうことですが余りの熱心さに折れまして、氏の要求に合った日本酒に合う肴をそろえました。
そこで、特例申し込みとして平日の静かに晴れた昼下がりに催されました。
表題のように、お酒のための肴ですから、順不同、濃縮された珍味風に仕立ててあります。
真ん中・青い皿
【握り鮨】
鮪は醤油のジュレをのせ、鯵は梅酢でしめて握ったのをバッテラ用白板昆布で包んであります。
玉子は魚の摺り身を入れてある。
串刺しは大根のハリハリ。相模原の郷土食で、干し大根を柚子と唐辛子を芯にして巻き、三杯酢に漬けてあります。
柚子釜は糀入りイカの塩辛。当地の老舗美濃屋が京都から持ち込んだ作り方。
下に来て、時計回りに
【豆乳と酒粕のグラタン風】
大豆からこしらえた豆乳と丹沢山製の酒粕を合わせたもの。
海老、牡蠣、鱈、じゃが芋、茸を具にした焼き物。
見た目は牛乳仕立てに見えますが、口にすると和風そのものです。
朝絞った豆乳なので、味わいが酒にばっちりです。
【ひょうたん皿】
ミートローフで三国清三シェフの方法を用いてあります。
フランス流とかハンバーグのタネにサイコロチーズを混ぜ込み、全体を生ハムできっちり包んだもの。濃厚そのものです。
スタッフドエッグ(玉子の詰めもの)
茹でた卵黄はマヨネーズで和えイクラを盛った。
レバーペーストパンばさみ
【木皿】
アルミホイル敷き
斜面坂筍の白味噌炙り
【菓子】
パイダネはリンゴを少なめに柚子ジャムをたっぷりにした。
練り羊羹
地物いちご
【しのぎそば】
【お煮しめ 野菜のみ】
【寒しじみ汁】
献立の方針は他銘柄に見合うため濃淡をそろえました。
当日はI・Y氏が懇意にしている当地東方国府津在住の陶芸家 鈴木三成氏をお誘いしていた。
参加者に作品のぐい呑みのプレゼントを賜りました。ありがたいことです。
先生は88歳で先ごろ展示会を開催されその時のグラフ集をいただきました。
なお、用いた酒器は全て先生の作品だけで、I・Y氏のコレクションでした。
青い皿は鈴木三成先生の若い頃の作品です。
日本料理の会席献立を習得するためには上方の技法を基本に学びます。
そうすると、酒もこの料理を基本に作られた伏見か灘になります。
細かくいうと京の料理は伏見で、大阪の料理には灘ということです。
こういう訳で昭和の時代、当地の酒屋も酒は下る酒に限るといわれたものです。
酒のみ下ってよかったのです。当店もこれがこびりついている類です。
また、醸造酒法であるワインを女性が1合、男性が2合という地中海食が生活習慣病になりにくい基本形からという理屈からも最も近いところです。
日本酒も食中の飲み物として馴染みます。
今の料理は油が多く、乳製品も多くなっています。
それに伴って、伏見・灘ばなれにも良い地方のが見られるようです。I・Y氏はそれを追っているのでしょう。
おせち膳(松花堂盛り / 3,950円税込)

令和7年1月2日より4日まで 11時半より、材料がなくなり次第終了します。15個限定 予約承ります。
予約をいただければお取り置きします。
右上から
煮しめ
- 〇 里芋
- 〇 竹の子亀
- 〇 凍豆腐
- 〇 人参
- 〇 牛蒡
- 〇 つみれ
料理膾
- 〇 海藻
- 〇 なめし野菜
- 〇 松風鯛
- 〇 むき海老
- 〇 章魚
- 〇 鰤
- 〇 あしらい細々
- 〇 敷酢
添加物は入っていません。全て手前料理です。
昭和初期から中期の日々
三淵邸 甘柑荘ご見学によせて(小田原市板橋)

R6年9月29日
甘柑荘を訪れた御一行様から昼食としてご依頼いただいた。
テーマは昭和にしました。
当時、小田原の板橋界隈は明治中期にいわゆる洋食が一つのブームになった。
文明の幕明けとともに箱根宮ノ下に富士屋ホテルが開業したことと、日光金谷ホテルが関東のリゾート観光をリードした。加えて「食道楽」を発表した村井弦斎のブームもそこに重なった。
当店のお客さんの中に、祖父が栃木県から板橋の隣の山角町(現・小田原市南町4丁目)でレストランを開いた方がいて、当時のメニューをいただいていた。
村井弦斎の洋食はお箸でいただく調理になっていると解釈できる。
- 〇 弦斎マヨネーズは固ゆで玉子を加えて、コクを出し箸が効く(進む)というものである。
- 〇 昭和カツレツは、昭和30年初めまで油を好まないという歴史がある。その後、チーズが入ってきて変わるのである。油を使わないで脂を薄く敷き、じっくり炙り焼きつける方法である。黒胡椒をしてあり、そのまま・醤油・好みで別にトマトソースを添えた。
- 〇 鯨の竜田揚げは網にのせ血抜きをし、切り分けて玉葱を多く、ニンニクを各おろして加え、醤油、胡椒で軽く調味して、片栗粉をまぶして唐揚げにした。
- 〇 魚白ソースグラタンは、鯛、梭子魚の中落ちを魚ブイヨンにとり白ソースに割り入れて日本酒にあう仕上げとした。カジキマグロとしめじ茸、玉葱スライスを具材とし、上に粉チーズを軽く振り上火焼きにした。
- 〇 小田原しんじょは、かまぼこの擂り身に山芋・玉子白身・浮粉・酒・昆布出汁で調整し、ふんわりした生地にして蒸す。松茸は切って盛る。吸い地は本枯れ二度の血合いのない鰹節で取ったもの。
- 〇 葛葉鮨は梭子魚を梅酢でしめて握り、葛葉で包んで一晩押しをする。一方は鮭の握りとした。
- 〇 炙り生姜は新生姜に味噌をぬり、さっと焼き色を付ける。
- 〇 酒匂川の天然鮎塩辛は、同鮎を6月に強塩してのち塩抜きし、塩糀に漬けて夏を越したもの。北大路魯山人が関東では夏の土用前までは酒匂川の鮎が一番と言っていた。
- 〇 魚カステラは、カステラの生地に魚の摺り身を加えたもの。昭和30年代初頭までは当たり前のものだった。
- 〇 栗茶巾絞りは、茹で栗の身をくり抜き、裏漉しのあと甘味を見てガーゼ布で茶巾に絞る。
- 〇 温州蜜柑は今回のテーマにちなんだ。
今回の幹事さんとは一週間前から事前打ち合わせをし、当日は19名でご来店いただいた。また、当日は到着時間のご連絡をいただきありがとうございました。
中世小田原の郷土料理

R6年4月

食事風景
小田原史談会で「中世小田原の郷土料理について」の話をさせていただく機会に恵まれました。その後、日をあらためて同名の献立での会席のご依頼をいただき多数のご参加をいただきました。
- 〇 半ぺんは、山芋と豆腐で作られていたが、それが小田原に伝わって魚身を加えたものに変ってきた。
- 〇 鎌倉時代に伊豆干し椎茸が銘品として中国に輸出されていた。その帰路の船には色々な品(文化)が積まれていた。
- 〇 三つ葉、山椒は古くから日本に自生していたもの。ナスはインドが原産で正倉院文書によると8世紀中頃には日本に入っていた。
- 〇 鯛を皮付きで湯ぶりするのを小田原松皮作りといった。季節柄、抱き卵を酒煎りしまぶして盛るのを子ごもりといって当時常用された。
- 〇 唐蒸しは、おから・酒粕・黄名粉(きなこ)を合わせて鯛の腹に詰める。奈良時代の高級料理で、今でも金沢(石川県)周辺で祝いの席て振る舞われている。
- 〇 松風は表に芥子の実を振るので松林の砂浜のようで、裏は飾り気が無く「浦寂しい海岸の情景」を表している。干した魚や食材を松風干し。
- 〇 カステラも魚の身を加えた。
- 〇 白仕上りは正月専用にこしらえる。糀で白くつくる。
- 〇 今の普通のきんとんは明治以降から。以前は砂糖を指先大に丸めて包んだものだった。今回は南瓜と黒砂糖を合わせて丸にして長芋で包んだ。砂糖が貴重品だったから。
- 〇 米粉と黒砂糖で作る「ういろう」は、干柿入りが人気品だった。
- 〇 ワラサを味噌漬けにして杉の間伐材の赤身板に挟んで焼く。保存が効いて旅先でいつでも食べられる。室町時代の代表的な一品。
- 〇 家康は当時天下を得ていなかったが、箱根を越えれば同じ土地柄である。獲物は鴨とした。天つゆは昆布出汁品。
- 〇 江戸中期まで醤油が貴重品だったので、そば汁は味噌汁を濾した汁を使っていた「にぬき」。
陽春 汎用会席(6,600円/税込)

R6年4月
キス松風干し
キス昆布じめ水和え
- 〇 煮染め
- 〇 地物 西湘鰤照り焼き
- 〇 天ぷら
- 〇 水菓子
- 〇 キス松風干し
- 〇 刺身
- 〇 おぼろ月吸椀
- 〇 キス昆布じめ水和え
水和えとは簡単な煎酒のこと
- 〇 煮豆3種
- 〇 筍寿司
- 〇 石臼挽き手打ち蕎麦
浅春の会席(6,600円/税込)

R6年3月中頃

真鶴 鰤 鎌倉おろしナマス

豆腐と鮭のパテ 白ソース レモン酢掛け
- 〇 グリーンマヨネーズ アスパラ・空豆
- ◦ イタリアパセリのマヨネーズソース
- 〇 そばがき 汁椀みそ仕立て
- ◦ そばがきは鶏そぼろ入り
- 〇 真鶴 鰤 鎌倉おろしナマス
- ◦ 大根おろしでいただく
- 〇 ロールキャベツ 和風スープ炊き
- 〇 豆腐と鮭のパテ 白ソース レモン酢掛け
- 〇 立場2品
- 立場(つけば)とは産地での調理
- ① 翻車魚 共醤油添え
- ◦ 身と肝は塩で〆て、湯引きする。身はスライス。肝はしっかり湯をして裏ごしし、酒・醤油・味醂と合わせ、仕上げに生姜汁を絞る。
- ② 槍烏賊 浜煮
- ◦ 槍烏賊は墨を取り生姜片を入れて当座煮にする。
- 〇 天麩羅・冷掛けそば
- 〇 水菓子
寒しのび 立春を望む頃(6,600円/税込)

R6年1月中頃
前菜
鯛 出汁のグラタン
- 通し
- カキ豆腐(カキの肝のみを寄せた)
- 前菜
- 時計回り:小袖寿司(アジと鮭)、ばらん舟懐敷、陽向新筍(柚子味噌くら掛け)、合鴨ロース、 大福印元 節分盛り、黄梅花の魚カステラ
- 脇小鉢
- 三色煮豆(黒豆、大豆、金時)
- 吸物椀
- 清汁(うずら鳥のつくね、春菊、口・柚子)
- 料理なます
- 向枕:寒芹と固蕾茶花、なめり茸2種、沖縄もずく
前盛り:たこ、〆鯖、鮪、さわら、海老、ほたて
香草・伊パセリ、ロ・すだち、敷き酢
- 煮しめ
- あじ摘入、里芋、高野豆腐、焼麩、牛蒡、人参、椎茸、つまみ菜
- 焼皿
- 鯛 出汁のグラタン(鯛、しめじ茸)
- 天ぷら
- 自然薯磯辺巻き、海老、いか、鱚、舞茸、天つゆ
- 食事
- 手打ちそば柏南蛮、洗い葱(薬味)、七味
- 後菓子
- りんごの焼き菓子、地産いちご
現在から古を眺める会席(6,600円/税込)

- 箸始
- 胡麻豆腐禅宗仕立
- 饗応籠盛
- くず葉寿司、かんぜ玉子(能の観世模様)、鳥ミンチの松風焼き、酥(そ:日本のチーズ)、 紅葉人参
- 吸椀
- 集汁
- 年賀向けいか塩辛
- 甘鯛室町期杉板炙り
- 料理なます
- (永く続いた宴会の主品)はやと瓜、蕪、もずく、矢柄、鯛、たこ、金目、有頭海老、すだち、香草、敷三杯酢
- 煮しめ
- キスのつみれ(蒲鉾の材料)、八ツ頭、こうや豆腐、こんにゃく、人参、牛蒡、青菜
- 南蛮風油もの
- (衣の厚い天ぷら)海老、カキ、茸、油を切るための天つゆ
- 硯小鉢
- 黒豆とうずら豆煮
- 江戸夜鷹のそば
- 江戸時屋台のぶっかけそば(薬味・白葱、青葱)
- 茶菓子
- 大柿と羊羮
近隣にご宿泊の方への定食
お仕事等で宿泊施設にご滞在の方に定食をご用意しています。
3,000円(税込)お一人様から可
歴史をたべる
- 伝承会席
- :3,950円(税込) / お一人様から
- 汁(旅籠の汁椀)・ナマス類・煮物・焼物・油物・ぶっかけそば・後菓子を基にしております。
ご来店の30分前にでもご予約をいただけると、いっそう内容の濃い仕上げができますので、ぜひ事前のご予約をお願いします。
休会のお知らせ
これまで永くやってまいりました研究会形式の献立発表会(歴史サロン例会)をしばし休ませていただき次の機会について考えてみます。
何卒よろしくお願いいたします。
歴史サロン例会 会員募集中
これまで、史料に基づく郷土・歴史会席を発表してまいりました。 これらを、さらにわかりやすく整えて常会とします。
年に5から6回の予定で、10月1日(土)より初めます。
すでに5月3日に、氏康生誕500年「尚武会席」を行いましたが、こつんとまとまりご好評をいただきました。
7月9日にも同じ献立を講談師のグループにもお出ししました。
ご登録いただけると、その都度事前にお知らせします。
第1回は「奈良茶飯」
江戸、明暦の大火の直後に出した奈良茶飯セット(現代の定食)が大ヒットしました。それが今回の原形となります。それを、小田原風にしてお召し上がりいただきました。
第2回は「つばき油の天ぷらの会」
屋台から始まった、そば、すし、などから、なぜ天ぷらだけが現在専門店で敷居が高くなってしましたのかも明かしたいと考えます。
第3回は「尊徳の食事」
元・神奈川県立図書館資料部長 石井敬士氏の話(尊徳はお酒が好きだった)をまじえて、お召し上がりいただきました。
詳しくは「定例会」をご覧ください。